和食器の生地について

 

現在和食器として使われているものは、誕生順に炻器、陶器、磁器の3つに大別されます。

 

炻器

炻器は窯が造られるようになってからの焼き物です。

基本的に釉薬は掛かっていませんが、生地に透水性がないことと、焼成温度が1100~1200度と高いので、硬く焼き締まり、水漏れしないのが特徴です。

成形後、乾燥させ、素焼きや施釉をせずに本焼きします。

備前、常滑、万古、伊賀、信楽などが代表的な産地です。

 

陶器

陶器は土ものと呼ばれます。

給水性のある粘度が使われ、この生地を素焼き、下絵付け、施釉の順に行って、1200~1300度で焼成します。

織部、志野、唐津、薩摩、萩、益子などがよく知られています。陶器は生地と釉薬との収縮率が違うことにより生じる、貫入と呼ばれるひびも見所のひとつです。

 

磁器

最後に登場したのは磁器です。日本では、17世紀前半に、朝鮮陶工・李参平が有田で磁器原料を発見したことに始まります。

磁器は金属をほとんど含まない磁土が使われ、焼物のなかでは最も硬く、吸水性はありません。

1300~1400度の高火度で焼かれ、磁器と比べて薄手、生地が白い、たたくと金属的な音がするなどの特徴があります。

有田、清水、九谷、砥部などが有名です。